2010年10月/奏玲通信

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2010年10月

常に進化し続ける鍼灸師であるために (室長日和 2010・10・22号)

私は「東洋はり医学会」という学術団体に所属しており、日曜日には7時過ぎにはレオと家を出て研究会に行きます。本部会には北は北海道、南は九州、全国から先生方が参加されていて、毎回刺激を受け勉強になります。

この会は、単に研究発表を聞きあうだけの場ではなく、実際に実技実習をします。参加者を少人数のグループに分けてそのなかで互いに治療する側、治療される側になり、実際に治療をしてゆきます。そして、症状の判断の仕方、治療の組み立て方など、グループ内で評価しあいます。脉の感じ方一つをとっても、互いに感じあうことで新たな発見がありおもしろいです。

国内に43支部があり、私は本部会と渋谷支部に所属しています。渋谷支部のホームページをぜひご覧ください。こんな感じでやっております。(なぜかレオの写真まで…皆さんかわいがってくれるのでレオは楽しそうです)会所属の治療院の紹介もしております。

海外にも13支部がありますが、2年に一度の経絡大(大会です)には海外の先生方も多数参加されるんですよ。

地域の皆さんに守られて  感謝

室長 097.jpg毎朝5時にレオと散歩に出掛けます。いつも決まったコースを通るのですが、道路の工事など予想もしていなかった変化が時々あります。昼間の工事などは警備の方がいたりして誘導してくれるのでほとんど不便は感じませんが、早朝や休日はそうはいきません。

先日も、縁石が掘られていて道の形状が変わっていたのでコースを見失ってしまいました。レオも不安な様子。どうやら、車道を歩いていたようです。しばらくウロウロ道を探していたら女性の方が駆け寄ってきて「こっちですよ!時々お見かけしますがどちらへ…」と誘導してくれました。盲導犬は気軽に触ったり声かけしてはいけないとみなさんご存知で、普通に歩いているときはきっと遠巻きに見守っていてくださるんでしょう。

地域の皆さんの支えあってこそ、レオと私は安全に歩くことが出来るのです。

脈診  脈を良くするということ  つづき (室長日和 2010.10.13号)

 前回、治療する側の手が、患者さんの経穴に触れるだけで脈が変化してある程度の治療効果があることはお話しましたが、鍼を用いた方がより治療効果は高まります。針の先端が鋭利になっている理由は、皮膚を貫いて筋肉の中にまで刺し通すという目的のためだけではありません。鍼の先端には気が集まります。鍼先が細く鋭利であればあるほど、それだけ気は収歛(しゅうれん…ひきしまること)して濃厚になります。

 鍼をまだ刺していない状態でも、鍼先が経穴に近づくだけで患者さんの脈は変化していきます。

 例えば、ある経絡の気が不足している場合に、浮いて力なく広がったような脈になることがあります。そこに気を流し込む目的で、その経絡上の経穴に鍼先を静かに近づけていくと、浮いていた脈がだんだんと沈んできて、引き締まった脈になります。鍼先が皮膚表面に接触すると脈はさらに引き締まります。そこで鍼を刺そうと思わなくても鍼は自然に入っていきます。鍼先が皮膚からほんの少しだけ入った瞬間に、針先に収斂していた気が経絡に流れ込みます。濃厚な気が経絡を通して全身にめぐると脈はさらに引き締まり、柔軟で落ち着いた脈になります。

 また、ある経絡の気が滞ってよどんでいる場合に、脈は硬くて浮いたような状態になることがあります。今度はこの経絡のよどんだ気を取り除く目的で鍼を静かに刺入していくと、鍼先に硬い抵抗を感じて鍼が止まります。そこでよどんだ気を取り除く技法を施すと、鍼先に感じていた抵抗感がなくなり、それと同時に硬くて浮いた脈が柔軟で引き締まった状態に変化します。これは、不要なよどんだ気が体外へ放散するとともに経絡の気の滞りが解消されたために起こる現象です。

 このようにして診断結果に応じたいくつかの経穴で、気を補ったり取り除いたりします。そして最後にまた脈診をして脈が良い状態になっていることを確認して治療を終えます。脈が良くなったということは、経絡の気が滞りなく流れて、全身の気が調和し、自己治癒力が高まったということです。

 脈が良くなり、気が調和し、自己治癒力が高まる。そこで治療を終えます。

 治療の終わりは回復の始まりなのです。

夏の思い出  『すいか1』

すいか1.jpg

8月にレオ8歳になりました。お誕生日にはいつもスイカを切ってあげます。

「ハッピバースデー♪レオちゃーん♪」…そんなことはどーでもいい様子のレオ(真剣)

 

 

脈診   脈を良くするということ (室長日和 2010.10.4号)

秋の花1 9月の中ごろまでは「もう秋は来ないのでは…」と思うほどでしたが、どこからともなく金木犀の香りが漂ってきてホッとしています。少し間があいてしまいましたが、久しぶりの『室長日和』。またお付き合いください。

 私は鍼をする前に患者さんの手首の脈を診ます。一つ鍼をしたら、また脈を診ます。そしてまた鍼をして、また脈を診ます。これは脈診(みゃくしん)というもので、東洋医学独特の診察法です。

 病院でもお医者さんや看護師さんが脈を診ますが、その場合は患者さんの片手の脈をとって時計を見て、1分間に何回拍動したかを記録しています。

 私が行う脈診というのは、脈が速いか遅いかだけではなくて、血管の堅さ・柔らかさ、太さ・細さ、引き締まっているか・たるんでいるか、拍動の強さ・弱さ、皮膚の表面に浮き上がっているか・沈み込んでいるかなど、いろいろな側面から観察しています。

 このような脈の変化により、全身の気の流れの状態を把握します。例えば、脈が堅いのは全身の気の流れが滞りがちなこと、脈が弱々しいのは気が不足していること、脈がたるんでいるのは気が体の外にもれ出ていることなど、手首の脈で全身の気の状態がわかります。

 また、全身を網羅する12本の経絡(気の通り道)のうち、気が不足している経絡はどれか、気が停滞している経絡はどれかなどを脈診で診断します。その診断結果から、どこの経絡のどの経穴(いわゆるツボ)に、どんな種類の鍼で、どの程度の深さまで刺すかを導き出します。

 どこの経穴の鍼をするかが決まったら、指先でその経穴をそっと触れてみます。経穴は経絡に沿って点在し、皮膚の表面にあるので、体内と体外との気の出入り口になっています。経穴に治療者の指先が触れると、それは直ちに脈の変化として現れます。すなわち、浮いて力なく広がったような脈だったものが引き締まってきたり、堅くて速い脈だったものが、柔軟で落ち着いた脈になるなど、気が滞りなく流れる方向へ変化していきます。

 経穴に触れたときに脈が変化するのは、経穴を経由して治療者から患者さんへ、あるいは患者さんから治療者へと気が通い合うためです。例えて言うなら、半透膜を隔てた濃度の異なる塩水が濃度の高い方から低い方へ塩分が浸透していくように、気が不足している経穴に治療者の手を通して気が流れ込み、また不必要な気が治療者の手を通して体外へ放散していきます。これにより、経絡を流れる気の過不足が調整されるのです。

 治療者の手が経穴に触れるだけでも患者さんと治療者との間で気が流れて脈が良くなるのですから、それだけでもある程度の治療効果が得られることになります。でも、鍼を用いたほうがより効果は高まります…。

続きは近いうちに!お楽しみに!!(秋になって更新スタッフもやる気満々?ですから…)

 

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