脈診  脈を良くするということ  つづき (室長日和 2010.10.13号)/奏玲通信

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脈診  脈を良くするということ  つづき (室長日和 2010.10.13号)

 前回、治療する側の手が、患者さんの経穴に触れるだけで脈が変化してある程度の治療効果があることはお話しましたが、鍼を用いた方がより治療効果は高まります。針の先端が鋭利になっている理由は、皮膚を貫いて筋肉の中にまで刺し通すという目的のためだけではありません。鍼の先端には気が集まります。鍼先が細く鋭利であればあるほど、それだけ気は収歛(しゅうれん…ひきしまること)して濃厚になります。

 鍼をまだ刺していない状態でも、鍼先が経穴に近づくだけで患者さんの脈は変化していきます。

 例えば、ある経絡の気が不足している場合に、浮いて力なく広がったような脈になることがあります。そこに気を流し込む目的で、その経絡上の経穴に鍼先を静かに近づけていくと、浮いていた脈がだんだんと沈んできて、引き締まった脈になります。鍼先が皮膚表面に接触すると脈はさらに引き締まります。そこで鍼を刺そうと思わなくても鍼は自然に入っていきます。鍼先が皮膚からほんの少しだけ入った瞬間に、針先に収斂していた気が経絡に流れ込みます。濃厚な気が経絡を通して全身にめぐると脈はさらに引き締まり、柔軟で落ち着いた脈になります。

 また、ある経絡の気が滞ってよどんでいる場合に、脈は硬くて浮いたような状態になることがあります。今度はこの経絡のよどんだ気を取り除く目的で鍼を静かに刺入していくと、鍼先に硬い抵抗を感じて鍼が止まります。そこでよどんだ気を取り除く技法を施すと、鍼先に感じていた抵抗感がなくなり、それと同時に硬くて浮いた脈が柔軟で引き締まった状態に変化します。これは、不要なよどんだ気が体外へ放散するとともに経絡の気の滞りが解消されたために起こる現象です。

 このようにして診断結果に応じたいくつかの経穴で、気を補ったり取り除いたりします。そして最後にまた脈診をして脈が良い状態になっていることを確認して治療を終えます。脈が良くなったということは、経絡の気が滞りなく流れて、全身の気が調和し、自己治癒力が高まったということです。

 脈が良くなり、気が調和し、自己治癒力が高まる。そこで治療を終えます。

 治療の終わりは回復の始まりなのです。

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