共鳴する世界/奏玲通信

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共鳴する世界

 10年程前のことだが、横浜ジャズ祭で、ジャズピアノの板橋文夫と神奈川フィルとの共演があるというので、関内ホールまで聴きに行ったことがある。その年はデューク・エリントンの生誕100年だったか何だかで、エリントンナンバーに焦点がしぼられた企画だった。板橋と神フィルの演奏は大変にすばらしくて、ホール全体に感動の渦巻きが起こったことを今も鮮明に憶えている。

 でも、最初の一曲だけは板橋は出てこないで、意外にも武満徹の交響曲が神フィルによって粛々と奏でられたのである。「なんで武満徹なの?」と思ったが、武満はエリントンを深く敬愛していたからだとのことだった。

 この演奏もすばらしいものだった。武満はCDでしか聴いたことがなかったのだが、生の響きが美しくて、目から鱗が落ちるような感動を覚えた。

 その何年か後に「武満徹著作集」(新潮社)という本を読んだのだが、武満の音楽に対する思いhが綴られていて、これもまた感銘を受けた。音楽というのは知識とテクニックを駆使して作り上げたものが「芸術的」だと評価されて、聴衆もそのような観点から聴くことを「芸術鑑賞」だと思い込んでいる。本書において武満は、そのような音楽の在り方について疑問を投げかけている。

 武満は、感じたままを余計な装飾をせずに素直に音に置き換える。すなわち、わき上がる命の響きを素直に音に置き換えているのだということを、この本を読んでそして神フィルの演奏を聴いて実感した。

 鍼灸の目的は気の調和である。気の流れを調えれば、命は美しい響きを発する。そうすれば天地自然の気と共鳴して、武満の音楽のようにさらに美しく響きわたってゆく。

お父さんのCD.JPG

我が家のCDはすべて点字のシールが貼ってありジャンルごときっちり分類。もちろん自分でやりますよ。

 

 

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