2017年5月/奏玲通信

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2017年5月

 天から人へ、人から人へと気は伝わります

 天(宇宙)をめぐる陰陽の気が交わることにより命が誕生し、気が散ずることにより命を終えて天地へと帰ります。死とは消滅して無と化すことではなく、より広大なものへと溶け込んでゆくことなのです。その広大なものを老子は原気と名づけました。広大なものの中に溶け込んで形は見えなくなっても、気は次の命の準備をしています。いつの日か何かのご縁によって陰の気と陽の気が交わって、再び光り輝く生命体としてこの世に現れてきます。銀河も草木も猫も犬も人も、命あるものは天と同じ気が流れていて、美しい光を放ちます。その光は電灯やろうそくの光のような視覚的なものではなく、気の集まりである生命体と生命体との間だけで感受できる光なのです。これを後光とかオーラと呼ぶこともあり、浄土真宗を開いた親鸞は「仏とは不思議な光」と説き、また西洋の天使の頭には光の輪が輝いています。  鍼灸医学のバイブルとも言われる『黄帝内経』という医学書は二千年以上前の中国で編纂され、その内容は老子や荘子の影響を強く受けています。『黄帝内経』には、天地人の気に関する次のような記述があります。     ~~~~  天(宇宙)の道理を感得する人は、生命の根源は天をめぐる陰陽の気であることを知っている。地上の山川草木も、人の眼・耳・鼻・口・尿道口・肛門の九つの穴(九竅)も、内臓も、すべて天の気と通じ合っている。天の気は木火土金水の五行を生じ、天の気は人体では陰の経絡と陽の経絡をめぐっている。もし天人合一の道理に反することばかりしていると、邪気が人体を傷害することになるであろう。この道理は長寿の根本である。  (黄帝内経・生気通天論篇からの意訳)     ~~~~  人体には経絡という気が流れるすじみちが12本あり、手足・頭・内臓など全身のすみずみに気をめぐらせています。経絡に沿って経穴(いわゆるツボ)が点在していて、そこから必要な気が天から流れ込んだり、不必要な気が天へ放散したりしています。  足をめぐる経絡に気が不足すると足の冷えやしびれが現れたり、頭を主にめぐる経絡に気が滞るとめまいや頭痛が現れたり、下腹部を主にめぐる経絡の気の不足や滞りで生理痛や生理不順を引き起こすなど、どこの部分の経絡に気の不調和が生じるかによって、それぞれ特徴的な症状が現れます。どこの経絡の気が不足していて、どこの経絡の気が滞っているのかを問診・脈診・腹診などで診断して、その診断結果に応じて、それぞれの経絡に点在する経穴(いわゆるツボ)に鍼を施します。  でも、治療者が病気を治しているわけではないのです。治療者は、天の気が通過する光ファイバーのような役目を担っているだけです。気の集まりである人体は、天の気を引き寄せる性質があります。背すじを伸ばし、呼吸を整え、全身の力を抜いていると、天の気が経穴を通じて治療者の体に流れ込み、経絡を通じて全身をめぐります。その状態で鍼を持つと、全身をめぐっていた天の気が鍼に集まってきます。その鍼を患者の経穴にそっと当てると、鍼に集まっていた気が患者の体に流れ込みます。 放射状に発散する光の線・雪が舞うような光の粒・シャボン玉のように浮遊する光・雲のように淡く輝く光など、天の気は光を放散しながら全身をめぐり、やがて患者の体が美しい光で包まれます。全身が気に満ちあふれると、体の奥底から温まってきて、緊張がほぐれて、気持ちが和み、生きる力が高まり、そして患者自らの力により病が治ってゆきます。  天の気を体内に取り込むということは、天地人が合一するということです。天地人の合一によって、宇宙と同じパワーを引き出して、自ら治る力(自然治癒力)を高めます。それが老子や荘子と同じ時代に誕生した鍼灸医学の究極目標なのです。

気のルーツをたどる

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 「気」を科学で解明しようという研究が多くの科学者によって行われてきましたが、気の実体の解明には至っていません。気とは血液やリンパ液のことであるとか、自律神経を意味しているとか、感覚・意識・運動・自律機能に関わる脳内の視床や視床下部の働きを気と呼んでいるだとか、気を現代医学的に解釈しようという取り組みがなされてきましたが、いずれにしても明確な答は得られていません。  やはり気については、古来からの解釈を率直に受け容れた方が、鍼灸治療において役立つし、より輝きを増すように私は思います。

 宇宙を動かしている原動力とか、生き物に宿る命の根源という意味で気という概念が用いられるようになったのは、二千数百年前の中国においてのことです。  その時代における特筆すべき思想家として、老子と荘子があげられます。老子は生没年不明で、その実在も疑わしいとされていますが、その人物像を初めて記したのは漢の時代の司馬遷の『史記』でした。『史記』によれば老子は、姓は季、名は耳で、これは耳が長いという意味があって、耳の長く大きいのは仙人の相だとのことです。二百歳まで生きたとも言われていて、養生法を行い、道をきわめたので長生きしたのだろうとされています。老子が説くところの「道」とは、宇宙の根源とか道理というような意味があります。   

  ~~~~  天地ができあがる以前は、形もなく分別がつかずにモヤモヤとしていた。そのモヤモヤしたものは、ただ静かに宇宙のすみずみまで及んでいる。これを人は万物の母と言うが、私(老子)は「道」と仮に名づけることにする。       (『老子』・第二十五章からの意訳)

  そして老子は、生命の誕生と死について次のように説いています。     

 ~~~~  万物の母である道は原気を生じる。  原気とは、すべての気が混在している状態を言い、命の根源である。  原気から、陰の気と陽の気の二つの気が生じる。  陰陽の二つの気が交わって、陰気でも陽気でもなく、陽気でも陰気でもある、第三の気である和気が生じる。  その和気から万物が生じてくる。       (『老子』・第四十二章からの意訳)     ~~~~

 老子とならぶ思想家の荘子(荘周)の考え方は、(万物斉同)という言葉で表現できます。その意味は、目先の事物にとらわれることなく、超越した視点に立って万物はすべて差別がないということを悟らねばならないということです。そして、道には天道と人道とがあり、無為自然に生きるのが天道で、わずらわしいことばかりをしながら生きるのが人道であるから、わずらわしさは捨てて、自然のありのままの姿に帰れと説くのです。  荘子は、生命の誕生と死について次のように説いています。    

 ~~~~  生命は気が集まってできたものである。  気が集まれば生となり、気が散ずれば死となる。  人は天地の間にいて、しばらくの間だけ生を営み、やがて人は天に帰る。  死は変化して生となり、生は変化して死となる。  天地人は、それをくり返しているのだ。  そのように生と死は一体であることを知れば、生と死について心を悩ます事はない。  万物は一体であって、元々は差別はないことを知らねばならない。       (『荘子』外篇、知北遊からの意訳)     ~~~~  

 道を宇宙の本体とし、道に則して作為なく自然のままに生きるようにと老子や荘子は説きました。老子や荘子が説くところの道とは、宇宙の気と同調して、天地と人が同化して、気のパワーを最大限に発揮できる道のことです。これが「道を究める」ということです。道を極める理由は、不老長生です。不老長生を達成するために、気を感じ悟り、宇宙の気と同調して、道をより深く極めてゆきます。  小宇宙である人体は大宇宙と同じ気が流れているのだから、人は無限大のパワーを秘めているわけです。気のパワーを発露させることができるならば、仕事の失敗だとか人間関係のもめ事だとか心身の不調なんかは一吹きです。そういうパワーを内に秘めているのに、人はその出し方や使い方を知りません。  老子や荘子を始祖とする道教では、気のパワーを発露させる方法として、導引(運動法や呼吸法で気を導き入れる)・按摩(もんだり押したりさすったりして気の流れをよくする)・食事療法や薬物療法・養生法(自然に則した生活習慣)などを行いますが、当然ながら鍼灸治療もそこに含まれます。

 今月の室長の健康アドバイスも合わせて読んでいただけるとより理解が深まるかとhappy01

 室長の健康アドバイス「原気(げんき)を元気にしましょう」はこちら

☆☆☆動物たちと暮らしていると彼らこそ「天道」に生きているように思え、私たちの器の小ささを感じずにはいられません☆☆☆

写真は4月30日(日) 近所の桜台公園にて。 

 

レノ&ふわふわママの「思いっきり親ばか日記」その2

現役盲導犬(レノ)と猫(ふわふわ)のいる生活

dogレノ&ふわふわママの「思いっきり親ばか日記」その2cat  (奏玲通信2017 初夏号より)

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shine祝!盲導犬デビュー満4年shine もうベテランさんgood

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改札だって、駅のホームも、どこだって行けるんだよscissors

レノがいつも元気で安全に盲導犬のお仕事ができるように…大切なことは

大切なことその1歩行フォローアップ(年1回)

 盲導犬としてデビュー後は年1回訓練士さんに歩行の様子をチェックしてもらいます。2017・3・6レノフォローアップ.JPG

(レノとお父さんの後ろから厳しい眼差しで追跡中eye

 道路の端に寄れているか、止まるべきところでちゃんと止まれているかなど安全歩行のための基本が崩れていないかチェックしてもらいます。

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「とても安定していますgood」とほめてもらって得意顔のレノくん、ちょっと調子に乗って…

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訓練士さんにデレデレheart04甘えていたら…2017・3・6レノフォローアップ4.jpg

ついでに爪まで切られちゃって…sweat01sweat01降参ポーズです(笑)

お客様が来るとふわふわ様はどこかに雲隠れdash2017・3レノったら.JPG

cat「レノったら…」

 

大切なことその2 定期的な健康診断(年1回)

 狂犬病の予防接種などの他に健康診断も毎年欠かさずやることになっています。血液検査や尿や便の状態まで細かく調べます。

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(撮影協力:可愛動物病院 045-984-1122)

今年も異常はありませんでしたhappy01レノは病院も大好きでです、自分から診察台に「ヒョイッ」と乗ってくれるおりこうさんです。

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横浜市では補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)のために医療証が発行されていて、日頃の医療費は市が負担してくれています。多くの方のサポートがあって安全な歩行が守られています。

cat「あたしだってレノのこと応援してるわ!」

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ちっちゃいふわふわちゃんでっかいふさふさレノはなんだかんだ仲良しですheart02

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