気のルーツをたどる/奏玲通信

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気のルーツをたどる

2017・4・30桜台公園(縮小).jpg

 「気」を科学で解明しようという研究が多くの科学者によって行われてきましたが、気の実体の解明には至っていません。気とは血液やリンパ液のことであるとか、自律神経を意味しているとか、感覚・意識・運動・自律機能に関わる脳内の視床や視床下部の働きを気と呼んでいるだとか、気を現代医学的に解釈しようという取り組みがなされてきましたが、いずれにしても明確な答は得られていません。  やはり気については、古来からの解釈を率直に受け容れた方が、鍼灸治療において役立つし、より輝きを増すように私は思います。

 宇宙を動かしている原動力とか、生き物に宿る命の根源という意味で気という概念が用いられるようになったのは、二千数百年前の中国においてのことです。  その時代における特筆すべき思想家として、老子と荘子があげられます。老子は生没年不明で、その実在も疑わしいとされていますが、その人物像を初めて記したのは漢の時代の司馬遷の『史記』でした。『史記』によれば老子は、姓は季、名は耳で、これは耳が長いという意味があって、耳の長く大きいのは仙人の相だとのことです。二百歳まで生きたとも言われていて、養生法を行い、道をきわめたので長生きしたのだろうとされています。老子が説くところの「道」とは、宇宙の根源とか道理というような意味があります。   

  ~~~~  天地ができあがる以前は、形もなく分別がつかずにモヤモヤとしていた。そのモヤモヤしたものは、ただ静かに宇宙のすみずみまで及んでいる。これを人は万物の母と言うが、私(老子)は「道」と仮に名づけることにする。       (『老子』・第二十五章からの意訳)

  そして老子は、生命の誕生と死について次のように説いています。     

 ~~~~  万物の母である道は原気を生じる。  原気とは、すべての気が混在している状態を言い、命の根源である。  原気から、陰の気と陽の気の二つの気が生じる。  陰陽の二つの気が交わって、陰気でも陽気でもなく、陽気でも陰気でもある、第三の気である和気が生じる。  その和気から万物が生じてくる。       (『老子』・第四十二章からの意訳)     ~~~~

 老子とならぶ思想家の荘子(荘周)の考え方は、(万物斉同)という言葉で表現できます。その意味は、目先の事物にとらわれることなく、超越した視点に立って万物はすべて差別がないということを悟らねばならないということです。そして、道には天道と人道とがあり、無為自然に生きるのが天道で、わずらわしいことばかりをしながら生きるのが人道であるから、わずらわしさは捨てて、自然のありのままの姿に帰れと説くのです。  荘子は、生命の誕生と死について次のように説いています。    

 ~~~~  生命は気が集まってできたものである。  気が集まれば生となり、気が散ずれば死となる。  人は天地の間にいて、しばらくの間だけ生を営み、やがて人は天に帰る。  死は変化して生となり、生は変化して死となる。  天地人は、それをくり返しているのだ。  そのように生と死は一体であることを知れば、生と死について心を悩ます事はない。  万物は一体であって、元々は差別はないことを知らねばならない。       (『荘子』外篇、知北遊からの意訳)     ~~~~  

 道を宇宙の本体とし、道に則して作為なく自然のままに生きるようにと老子や荘子は説きました。老子や荘子が説くところの道とは、宇宙の気と同調して、天地と人が同化して、気のパワーを最大限に発揮できる道のことです。これが「道を究める」ということです。道を極める理由は、不老長生です。不老長生を達成するために、気を感じ悟り、宇宙の気と同調して、道をより深く極めてゆきます。  小宇宙である人体は大宇宙と同じ気が流れているのだから、人は無限大のパワーを秘めているわけです。気のパワーを発露させることができるならば、仕事の失敗だとか人間関係のもめ事だとか心身の不調なんかは一吹きです。そういうパワーを内に秘めているのに、人はその出し方や使い方を知りません。  老子や荘子を始祖とする道教では、気のパワーを発露させる方法として、導引(運動法や呼吸法で気を導き入れる)・按摩(もんだり押したりさすったりして気の流れをよくする)・食事療法や薬物療法・養生法(自然に則した生活習慣)などを行いますが、当然ながら鍼灸治療もそこに含まれます。

 今月の室長の健康アドバイスも合わせて読んでいただけるとより理解が深まるかとhappy01

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☆☆☆動物たちと暮らしていると彼らこそ「天道」に生きているように思え、私たちの器の小ささを感じずにはいられません☆☆☆

写真は4月30日(日) 近所の桜台公園にて。 

 

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