天から人へ、人から人へと気は伝わります/奏玲通信

HOME > 奏玲通信 > 室長日和 >  天から人へ、人から人へと気は伝わります

 天から人へ、人から人へと気は伝わります

 天(宇宙)をめぐる陰陽の気が交わることにより命が誕生し、気が散ずることにより命を終えて天地へと帰ります。死とは消滅して無と化すことではなく、より広大なものへと溶け込んでゆくことなのです。その広大なものを老子は原気(げんき)と名づけました。広大なものの中に溶け込んで形は見えなくなっても、気は次の命の準備をしています。いつの日か何かのご縁によって陰の気と陽の気が交わって、再び光り輝く生命体としてこの世に現れてきます。銀河も草木も猫も犬も人も、命あるものは天と同じ気が流れていて、美しい光を放ちます。その光は電灯やろうそくの光のような視覚的なものではなく、気の集まりである生命体と生命体との間だけで感受できる光なのです。これを後光とかオーラと呼ぶこともあり、浄土真宗を開いた親鸞は「仏とは不思議な光」と説き、また西洋の天使の頭には光の輪が輝いています。

 鍼灸医学のバイブルとも言われる『黄帝内経』(こうていないけい)という医学書は二千年以上前の中国で編纂され、その内容は老子や荘子の影響を強く受けています。『黄帝内経』には、天地人の気に関する次のような記述があります。    

2017・5・26インパチェンス(縮小).jpg

 ~~~~  天(宇宙)の道理を感得する人は、生命の根源は天をめぐる陰陽の気であることを知っている。地上の山川草木も、人の眼・耳・鼻・口・尿道口・肛門の九つの穴(九竅)も、内臓も、すべて天の気と通じ合っている。天の気は木火土金水の五行を生じ、天の気は人体では陰の経絡と陽の経絡をめぐっている。もし天人合一の道理に反することばかりしていると、邪気が人体を傷害することになるであろう。この道理は長寿の根本である。  (黄帝内経・生気通天論篇からの意訳) ~~~~  

 人体には経絡という気が流れるすじみちが12本あり、手足・頭・内臓など全身のすみずみに気をめぐらせています。経絡に沿って経穴(いわゆるツボ)が点在していて、そこから必要な気が天から流れ込んだり、不必要な気が天へ放散したりしています。  足をめぐる経絡に気が不足すると足の冷えやしびれが現れたり、頭を主にめぐる経絡に気が滞るとめまいや頭痛が現れたり、下腹部を主にめぐる経絡の気の不足や滞りで生理痛や生理不順を引き起こすなど、どこの部分の経絡に気の不調和が生じるかによって、それぞれ特徴的な症状が現れます。どこの経絡の気が不足していて、どこの経絡の気が滞っているのかを問診・脈診・腹診などで診断して、その診断結果に応じて、それぞれの経絡に点在する経穴(いわゆるツボ)に鍼を施します。  でも、治療者が病気を治しているわけではないのです。治療者は、天の気が通過する光ファイバーのような役目を担っているだけです。気の集まりである人体は、天の気を引き寄せる性質があります。背すじを伸ばし、呼吸を整え、全身の力を抜いていると、天の気が経穴を通じて治療者の体に流れ込み、経絡を通じて全身をめぐります。その状態で鍼を持つと、全身をめぐっていた天の気が鍼に集まってきます。その鍼を患者の経穴にそっと当てると、鍼に集まっていた気が患者さんの体に流れ込みます。 放射状に発散する光の線・雪が舞うような光の粒・シャボン玉のように浮遊する光・雲のように淡く輝く光など、天の気は光を放散しながら全身をめぐり、やがて患者さんの体が美しい光で包まれます。全身が気に満ちあふれると、体の奥底から温まってきて、緊張がほぐれて、気持ちが和み、生きる力が高まり、そして患者さん自らの力により病が治ってゆきます。  

 天の気を体内に取り込むということは、天地人が合一するということです。天地人の合一によって、宇宙と同じパワーを引き出して、自ら治る力(自然治癒力)を高めます。それが老子や荘子と同じ時代に誕生した鍼灸医学の究極目標なのです。

(玄関の植木鉢も初夏の雰囲気に)

< 気のルーツをたどる  |  一覧へ戻る  |  寝る子は育つ。だから未来の子供も寝心地のよさを求めています。 >

このページのトップへ

お問い合わせはお電話で045-985-3578

奏玲治療室

奏玲治療室
TEL:045-985-3578
《治療受付時間》
9:00~19:00
(19:00からの治療が最終です)
《休診日》
日・祭日