「我は包帯するのみ、神が癒やしたまう」 (奏玲通信2017秋号より 室長の健康アドバイス)/奏玲通信

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「我は包帯するのみ、神が癒やしたまう」 (奏玲通信2017秋号より 室長の健康アドバイス)

奏玲通信2017 秋号より 「室長の健康アドバイス」

2017・8・16クレマチス(縮小).jpg

『我は包帯するのみ 神が癒やしたまう』

 この言葉は16世紀のフランス人医師アンブロワーズ・パレの言葉です。

 外科医のアンブロワーズ・パレは16世紀フランスにおいて身分の低い「床屋医者」の家に生まれました。フランス軍トリノ遠征に従軍した時のこと、当時は銃による傷に煮えたぎった油を注ぐという治療が通例でしたが、けが人続出で油を使い切ってしまい、パレは身近にある材料を調合した軟膏で治療を行いました。従来と違う治療を行ったパレは、一晩中眠れずに神に祈ったと伝えられています。しかし、この軟膏の方が熱した油よりも治りが良くて苦痛も少ないことから、兵士たちからも感謝されました。また、皮膚や筋肉を温存する方法や、血管を糸で縛って止血する方法を考案して外科手術に大進歩をもたらしたり、人工装具を発明するなどの数々の功績によりパレの名声は高まり、フランス王室の公式外科医となります。病床にあるシャルル9世から「貧しい病人よりも私にもっと良い手当をしてくれ」と言われたときに「それはできません。なぜなら、すべての病人に国王と同じ手当をしているからです」と答えたと言われています。彼の著書は華岡青洲の手にも渡り日本の外科医療にも多大な影響を与えました。

 このように患者に負担をかけない治療法を考案したことや、患者一人ひとりに愛護的な態度で接したことから「やさしい外科医」と評されています。パレはさらに臨床経験を積み重ね「我は包帯するのみ 神が癒やしたまう」という言葉を残しました。この言葉はいろいろな解釈が可能ですが「人の体には生まれながらに治る力が備わっており、治療者の仕事は治る力を引き出すことである」ということではないかと私は解釈しています。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは「病気を治すのは患者自身が本来持っている自然治癒力である」と語りました。東洋医学においても、気の流れを調えて人間本来のあり方を取り戻せば後は自然に治っていくという「無為自然」の考え方が根底にあります。

 このように洋の東西を問わず治る力を引き出すことが基本理念にあったはずなのですが、現代医学においては精密検査機器で原因を見つけ出してそれをともかく除去するとか、現れている症状を薬で押さえ込むという方法が主流になっていて「病気は無くなった 患者も亡くなった」と現代医学を揶揄する言葉も聞かれるのは残念なことです。

 私は患者さんの治る力を引き出すことを常に念頭に置いて治療にあたっています。治療を施す側も受ける側も生まれながらに備わる治る力を確信することが健康への近道なのです。

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